近鉄22600系の先頭部をTNカプラー化する

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近鉄 22600 先頭部を TNカプラー化

グリーンマックスの完成モデル 近鉄 22600 の先頭部を TN カプラー化します。

本ページの方法で加工すると、従来車と連結器の高さに差ができてしまいます。
すみません、以下のページで修正版を公開していますので以下を参照ください。

近鉄22600系の先頭部TNカプラー化(修正版)

標識灯・テールライトの位置がシリーズ21 同様にボディ下部に移動されたデザインの 22600系。グリーンマックスから製品化されていますが、従来の 22000系以前の一般特急車とは違い、TNカプラーに対応していません。
22600系に TNカプラーを取り付けてみましたので、その流れを紹介します。

はじめに

今回、加工した対象はグリーンマックスの 22600系のセットに含まれる車番 22952 の車両先頭部です。

この製品は初期状態ではダミーカプラーが装備されていて、他の編成と併結したい場合はドローバーを使うように説明書に記載されています。

初期状態のダミーカプラー。

ただ、模型でもやっぱり実車同様に増解結できるようにしておきたいですよね。
ということで、TN カプラーを実物合わせで取り付ける加工をしてみましたので、自分のための記録を兼ねて紹介します。

利用したパーツ

車両以外に利用したパーツは TN カプラーと固定のためのネジです。

  • トミックス TNカプラー JC6340
  • (株)大里 精密ネジ 黒 1.4 x 2 mm

TNカプラーとしてはトミックスの JC6340 を利用しています。
JC25 の後継となる製品で、JC6340 の方がコンパクトになっている分、加工しやすいように感じました。

ネジは太さ 1.4mm、長さ 2mm の頭が平らなサラ頭のネジを利用しました。

使用する工具

加工に使用した工具は以下の通りです。

  • ピンバイス ドリル 1.2mm
  • デザインナイフ
  • プラ用ニッパー
  • プラ用棒ヤスリ
  • 紙ヤスリ

デザインナイフやニッパーはカッターナイフなどでも代用できると思いますが、切れやすいものを用意しておくのが良いです。細かな加工になる部分もあるため、力を入れすぎて破損させることのないよう、よく切れるものを用意した方が良いと思います。

加工の流れ

順番に加工した流れを紹介します。

まずは、ボディから床板を外し、ダミーカプラー付きのスカートを取り外します。

ダミーカプラー付きスカートを取り外し。

最初の加工はダミーカプラー部分を削り取ります。
以下の写真右側のように、ダミーカプラー部分を綺麗に取り除きます。

JC6340 とダミーカプラー部分を除去した状態。

次に JC6340 のボディ取り付け用の爪部分を削り落とします。

JC6340 のツメ部分を除去。

ここからボディマウント TN カプラーを取り付ける際にスカートと干渉する部分を加工していきます。
まずはカプラーを取り付けるための幅を確保するために、スカートの内側部分をカットしていきます。
下の写真では右側の黒く塗っている部分を削っていきます。左側は削りかけですね。
実際にボディマウント TN カプラーをあてて幅を確認してみると良いです。

JC6340 を取り付けるための幅を確保するために削る。

幅が確保できたら、次はカプラー部分を先頭部に出すために、スカートの内側を削ります。
下の写真の黒で塗った部分ですね。ここはなかなか加工しづらいので、棒ヤスリで削っていくのもありです。

スカートと TNカプラー接触部分を削る。

次はカプラー側の加工です。
22600系は標識灯・尾灯がボディ下にありますので、カプラーが干渉します。
下の写真の黒く塗った部分を切り詰めていきます。

標識灯・尾灯との接触部分を削る。

幸い、JC6340 はこの部分を削っても強度的には大きく影響しなさそうなので、とくに接着剤での補強もしていません。
カットが不足するとボディに戻した時に標識灯・尾灯部分と干渉するので一度は仮組してアタリを確認しておくと良いです。

切り詰めた状態(実際にはもう少し削る必要があった)。

次にネジ止めのための下穴を空けておきます。
下の写真のように元々 TN カプラーにある穴を活用します。位置調整の手間が省けてラッキーです。
なお、穴あけの際に動かないようにタミヤセメントで仮止めしています。

仮止め段階でカプラーの可動部分に支障がないか確認しておきましょう。スカートに当たる場合は、もう少し前方に出すようスカートの内側を削った方が良いでしょう。

ネジ止めに元々ある穴部分を活用する。

1.4mm のネジを利用しているので、1.2mm 程度の下穴がちょうど良いようです。実際 0.8mm、1.0mm のドリルで穴あけした時にはネジが進まなかったのですが、最終的には 1.2mm でうまくいきました。

1.2mm の穴あけ。

下穴が空いたら、ネジ止めしていきます。

ネジ止めした状態

ネジ止めが完了したらボディに戻して組み立てます。

組み立てて完成。

組み立てた状態で、加工していないもう一両の先頭部分と見比べて、状態を確認しておくと良いです。ボディマウント TNカプラー側の削りが甘いと、標識灯・尾灯部分と干渉し、高さが合わない状態になっている可能性があります。

同じグリーンマックスの近鉄 11400系と併結のお試しです。

近鉄12410系との併結試運転。

12410系は JC25 を説明書に従って取り付けていますが、このようにバッチリ TN カプラーで併結できました。

さいごに

最近は列車のデザインも多様化して模型でもこのように加工が難しいものが出てきたように思います。
でも近鉄のように分割併合の多い編成の場合は、やっぱり先頭部には TN カプラーを取り付けたいですよね。JC6340 のお陰で JC25 よりも強度面で加工は楽になったように感じました。

ちなみに、以前シリーズ 21では JC25 を使ったことがあるのですが、かなり苦労した記憶があります。

ちょっと加工は大変ですが、トライしてみる価値はあると思います。
ただ 22600系自体、現状製品の在庫がほぼないようです。また再生産されることを期待します。

グリーンマックスの TN カプラー非対応の他製品でも同じ要領で取り付けを検討できるかと思いますので、少しでも参考になれば幸いです。
皆様の鉄道模型ライフがより楽しくハッピーになりますように!