給電(フィーダー)位置の決め方

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給電(フィーダー)位置を考える

実際のレイアウトを対象に、給電(フィーダー)位置の考え方について紹介します。

具体的に自信が作成しているレイアウトを例に取って、走行用の電気をレールに供給するフィーダー位置について見ていきたいと思います。
今回はケースごとに丁寧にというよりは、実例を見ていきたいと思います。これだけでも基本的な考え方を紹介することはできるかなと思います。吹き出し部分は補足説明ですが重要かと思いますので、後から追加で読むような読み進め方でも構わないと思います。

フィーダー位置を考えるレイアウト

対象とするのは以下のレイアウトです。
何度か記事でも登場している建設中のレイアウトです。

今回の説明に使うレイアウト

説明のために中央駅部分に番号を振ってます。外側の線から1号線、2号線・・・5号線です。
1、2号線が周回外回りの外周線、3、4号線が内回りの内周線、5号線が支線用のホームのある支線です。支線はぐるっと回って中央駅下の地下ホームにつながりますが、説明上は単線の支線ですので記載は省略しています。

アンディ
アンディ

電気的な詳しいところは本記事では説明していません。
レイアウトを作ってどんなふうにフィーダーを使って給電すれば良いのかの概要をまずは掴めればと考えてます。
レールが繋がるところには意図して遮断しない限り、電気を流すことができるのでその部分は一台のコントローラを使って列車を走らせることになります。

なお、ポイント部分は今時のトミックスポイントのような完全選択式(ポイント開通方向のみに➕/➖の電気が流れる)のを前提としています。

完全選択式だとどういうことか?というと、今回のレイアウトであれば例えば外周線と内周線はポイントを使ってレールが接続されてますが、内周線から外周線、あるいはその逆の外周線から内周線に転線するようにポイントを開通しない限り電気的には切り離されているので、独立して列車を走らせられます。
逆にいうと、外周線から内周線に転線できるようにポイントを切り替えて、内周線用と外周線用のコントローラから逆向きの電気を流そうとするとおそらくコントローラの安全装置が働いてブレーカーが作動すると思います。

路線を走行するためのフィーダー位置

まずは、列車が走行できる路線(ここではそれぞれコントローラを分けて列車を走らせたい線とします)がどうなっているかを確認します。考え方の基本として、列車が交差せずに走ることのできる線路を確認します。
このレイアウトであれば、外周線、内周線、支線の 3つの路線があります。つまり、3台のコントローラを用意すれば、同時に 3列車を走らせることを楽しめます。
支線はポイントツーポイントなので行ったり来たりが前提です。この 3つは線路を共有する部分がない(支線は中央駅〜地下ホーム間とします)ため電気的に分割できるので、3つのコントローラからそれぞれ給電することで、同時に列車を走らせることが可能です。

内周、外周、支線の 3路線にそれぞれコントローラーから給電することでバラバラに列車を運転できる。

上の図でフィーダーの位置を示しています。それぞれの路線をどのように運転するかは以下の通りです。

路線説明
内周線「フィーダー内」の位置に給電することで内周に列車を走らせることができる。
3号線と 4号線に入線することができる。
外周線「フィーダー外」の位置に給電することで外周に列車を走らせることができる。
1号線と 2号線に入線することができる。
支線「フィーダー支線」の位置に給電することで、5号線からの支線に列車を走らせることができる。
路線と運転できる部分

この 3路線は 3つのコントローラから図表で示した位置にフィーダーを取り付ければ、それぞれ列車を運転できるようになります。

分岐がある場合は分岐の根本側にフィーダーを取り付けることで、分岐先の列車をコントロールできるようになります。この例であれば、「フィーダー外」の位置の給電により、ポイントの切替により 1号線と 2号線に列車を走らせられるようになります。もし「フィーダー外」の位置ではなく、1号線にフィーダーを取り付けると、2号線の列車をコントロールできなくなります。

アンディ
アンディ

1号線にフィーダーを取り付けた場合について追加説明。

中央駅の左右両側のポイントを1号線側に切り替えた状態では、1号線に列車を走らせられます。左右両側のポイントを2号線側に切り替えた状態では電気の流れない 2号線に列車を走らせられなくなります。
左右のいずれかのポイントを2号線側に切り替えると2号線も走らせられますが、1号線にも電気が流れているので、例えば、1号線に列車をとめておいて、2号線を通過させるような運転はできません。

中央通過線途中駅についても同じことが言えます。通過線あるいはホームのある線のみに給電しないように気を付けましょう。

走行経路を想定してフィーダーの追加

さて、「フィーダー外」「フィーダー内」「フィーダー支線」によってそれぞれ列車は走らせられるようになりました。
次に考えるのは車庫からの列車の入出庫です。実はすでに各路線に車庫からも入出庫できます。

ポイントを切り替えれば、外周線、内周線、支線とも車庫にむけて線路は開通できるレイアウトです。電気はポイントの開通方向に流れるようになるので、分かりやすいです。

例えば、1号線から列車を車庫に入庫する場合(あるいは逆に車庫から出庫して 1号線に入線させる場合)は、途中の各ポイントを1号線から車庫内まで列車が走るように切り替えておけば、「フィーダー外」に給電している外周線運転用のコントローラを使って車庫まで列車を移動させられます。気をつけるのはポイントを切り替える際に内周線を走らせながら切り替えようとすると、一時的に思ってもない電気の流れ方をしてコントローラのブレーカーが動作したり、思ってもない列車が走り出したりということがあるので気を付けましょう。
もちろん外周線からの入出庫の際には内周線をまたぐことになるので、内周線を走る列車とぶつからないように気をつける必要があります。

以下の図は少し違った運転をしようとした場合です。
フィーダー①の位置に専用のコントローラから給電します。
さて、どんな運転が可能になるでしょうか?

車庫への入出庫もフィーダー位置で基本的には可能。
フィーダー①を用意すると運転のバリエーションを増やせる。

内周線を 3号線を使って運転しながら、4番線に出庫してきた列車を入れるような運転が可能になります。
3号線側にポイントを切り替えて開通させておけば、内周線用のコントローラからの電気は 4番線側には流れてません。代わりに別のコントローラから「フィーダー①」を使って電気を供給し、車庫から 4号線側に列車を運転することが可能になります。3・4号線の島式ホームに同時に列車が入ってくるような光景を再現できるようになるわけですね。

ただ、そのためだけにコントローラを用意しなくちゃいけない(もしくは他のコントローラを一時的にこのために利用する)ので、ここまでやるかどうかは別ですが、運転バリエーションとしては増やすことができるので、考え方としては把握しておくと良いと思います。

さらに応用も

いきなり色々考えすぎると難しくなるので今回はおいておきますが、ギャップを活用したり、さらにうまくフィーダー位置を工夫するなどすれば、複雑な運転も実現できるようになります。その分コストはかかるかもしれませんが、、、

また追って紹介できればと思います。

まとめ

最後にポイントをまとめておきます。

  1. まずはレイアウトに存在する路線を確認する。各路線にはそれぞれコントローラを用意して独立して列車をコントロールする。
  2. フィーダーは各路線用のコントローラから路線に電気を供給する。途中に駅などで分岐がある場合は必ず分岐の根本側にフィーダーを取り付ける。
  3. 追加のコントローラとフィーダを用意することで運転のバリエーションを増やすことができることもあるので、どういう運転をしたいかをイメージしておく。

給電の仕方によって列車の運転パターンも変わってきます。また給電については別記事で説明できればと思います。

それでは皆様の鉄道模型ライフがより楽しくハッピーになりますように!